【大阪体感】鯨料理とハリハリ鍋の「徳家」
大阪ミナミ、多くの人で賑わう道頓堀や法善寺横丁からほど近く、千日前の上方ビル2階に
位置する鯨料理とハリハリ鍋の「徳家」。
昭和42年創業、今では希少価値の高い鯨肉を用いた名物「ハリハリ鍋」に鯨の刺身や燻製
など一品料理にもこだわった鯨料理の専門店です。
今回はその鯨料理の数々と共に、創業以来長年、鯨料理をお客様に届けてきた想いなどを
「徳家」女将の大西睦子さんに伺いながら、お店をご紹介いたします。
まずは店内へ。
昔ながらの座敷席やテーブル席と共に店内で目に留まるのが鯨の絵画や鯨にまつわる書籍。
古式捕鯨の様子がわかる絵画もあり、まるで鯨のミュージアム。
昭和42年、お母様がやっていた料理屋を再興したい一心で店を受け継ぎ、お母様の勧めから
鯨料理の専門店を始められる。
「当時は、鯨料理といえば、おでん店でのコロやサエズリが提供されている程度で主には
家庭料理の方が主流でした。価格も非常に安価なことから人気があり、ほんとに庶民の味
でした。」
「食用だけでなく、ひげはテニスのガットやコルセットなどにも使われ、鯨は日本人にとっ
て日常不可欠なものでした。」
それがクジラを取り巻く環境が激変するのは、調査捕鯨が始まった昭和58年頃のこと。
「規制強化により鯨の漁獲量は激減、学校給食などでも親しまれていた竜田揚げなどの鯨料
理も姿を消していき、今では調査捕鯨で捕られたもののみとなり、入手困難で価格は上昇
以前のような庶民の味ではなくなってしまいました。」
同じように今では希少な食材となってしまったさえずり(クジラの舌)も、以前はとても
安いものだったそうで、実はこのさえずりを食べるようになったのはここ20~30年だそう
で、そのさえずりの美味しさを伝えたのが大西さんと言われています。
では、選りすぐりの鯨料理の数々をご紹介いたします。
<鯨の刺身>
<コロおでん>
<鯨のステーキ>
<赤身本皮盛り合わせ刺身>
<鯨カツ>
<さえずり煮>
そして名物<ハリハリ鍋>
「主役は水菜。文字通りハリハリとした食感が醍醐味。水菜のホロ苦さには、鯨の出汁が
一番よく合うんです。」
具には、鯨とたっぷりの水菜、豆腐、シイタケ、餅、 貴重なおばコロのみ。
(おばコロ・・・ひれを油で揚げて乾燥させたものです。)
「余計なものは入れません。鯨と水菜の味を邪魔しないものだけです。」
これが長く大阪名物と言われ愛され続けている秘訣なんでしょうね。
「徳家」女将の大西さんは、生まれもこの道頓堀で今は廃校になったホテルからもほど近い
精華小学校に通い、幼少期は道頓堀川でザリガニ釣りをしていたとのこと。大阪一の繁華街
「道頓堀」が遊び場だったのは驚きでした。
長い間、この大阪ミナミの街で暮らし、時の流れと共に、街や人も変わってきたのこと。
「街には海外からの方が増え、また周辺店舗も様変わりして、自分が生まれ育った頃の
大阪の風情ある街並みや風景は大きく変わりましたね。食もたこ焼きやお好み焼きなどが
大阪の食文化の代表となっています。」
「昔、鯨は庶民の味であり、大阪の食文化の一つでした。価格が高騰する中ですが、なんと
か鯨の味を今の時代にも伝えていきたい思っています。」
今もお店に立ち、お越しいただくお客様に接しながら、料理法や味覚など自ら鯨料理を伝え
ておられる女将の大西さん。今回の取材で鯨への想いと大阪の食文化を守ろうという強い
情熱が徐々に馴染みが薄くなりつつある鯨を、ここ大阪では「鯨のハリハリ鍋」として今も
受け継がれていることを実感しました。
是非大阪にお越しの際、大阪の食文化である鯨料理を「徳家」にてご堪能ください。
鯨料理とハリハリ鍋の徳家
電話番号 06-6211-4448
住所 : 大阪市中央区千日前1丁目7番地11号上方ビル2F
営業 : 火曜日~金曜日 16:00~22:00(オーダーストップ)
土曜日 14:00~22:00(オーダーストップ)
日曜日・祝日 14:00~21:00(オーダーストップ)
休日 : 月曜日 12/31~1/3休み
URL : www.tokuya.jp
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